2023年9月29日

重力波の国際共同観測網である「LIGO-Virgo-KAGRA (LVK) コラボレーション」の参加メンバーが一堂に会する国際会議「LVKミーティング」が9月11日から14日の4日間、富山市の富山国際会議場で開催されました。

LVKミーティングは1年に2回、北米や欧州で開かれてきましたが、今回は初めて日本での開催となりました。

会議には世界19ヵ国から364人の研究者(コラボレーター)が現地参加、約200人がリモート参加し、それぞれの観測装置や研究の現状と今後について情報を共有し、活発な議論を交わしました。

若手のコラボレーターも多数参加し、ポスター発表で最新の研究を紹介するとともに、各国の研究者と交流を深めました。

ミーティングの期間中にはKAGRA施設の見学ツアーも連日行われ、総計282人が参加しました。KAGRAは、米国のLIGO(米国内の2カ所)や欧州のVIRGO(イタリア)が地上に設置されているのと異なり、地面の振動を避けて神岡鉱山地下に設置されていること、装置の心臓部の鏡を極低温に冷却して熱雑音を低減する手法などが特徴で、各国のコラボレーターからさまざまな質問が飛びました。

LVKコラボレーションは5月25日から第4期共同観測運転(O4)を開始、LIGOは順調に運転中で、VIRGOはO4参加に向けて調整作業中です。KAGRAは予定通り4週間の初期観測運転(O4a)を終え、来春の再参加に向けた感度向上作業を進めています。

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2023年6月28日

KAGRAは2023年6月21日午前8時(日本時間)にO4aでの4週間の観測運転を終えて、感度向上作業を再開しました。得られたデータの解析は現在行われています。
来春に、より高い感度で再び観測運転を行う予定です。

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2023年5月25日
 
  KAGRAは5月25日0時にO4観測運転を開始しました。

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2023年5月18日

 LIGO-Virgo-KAGRAコラボレーションは,まもなく開始される次期観測に向けて準備を進めています。前回の第3期共同観測運転から3年間にわたる重力波検出器のアップグレード作業を経て,第4期共同観測運転(Observing Run 4; O4)を2023年5月24日に開始する予定です。LIGOは、コミッショニング(調整作業)からエンジニアリング・ラン(試験運転)と呼ばれる最終点検期間に移行しました。Virgoは限られた時間のみ試験運転を行いながら、感度向上のための調整作業を行っています。KAGRAはO4開始1週間前までは調整作業を行います。

この共同試験運転の目的は、アップグレードされた検出器と検出器ネットワークにおいて共同観測運転を行うために必要なシステムをテストすることにあります。

LIGOとVirgoの装置の最新のアップグレードにより、より微弱な重力波を検出出来るようになり、これまで以上に多くの重力波信号を検出することが出来るようになります。

 LIGOは連星中性子星合体の観測可能距離において予定していた目標に近い160 Mpc (メガ・パーセク;1 Mpc は約326万光年)で稼働しています。Virgoは5月24日にはO4を開始せず、感度を制限している鏡の不具合に対処するために調整作業を継続します。この作業の後、VirgoがO4に加わる日をより正確に評価できます。 KAGRAは,O4 開始時に予定していた最低限の感度である1Mpcを達成しています。O4最初の1ヶ月間の観測運転の後、KAGRAは調整作業を再開し、O4の後半に向けて一層の感度向上に取り組みます。

これまでの観測運転と同様に、O4期間中も重力波信号の検出候補に関するアラートが一般に配信されます。公開アラートの受信方法と解釈に関する情報は、https://wiki.gw-astronomy.org/OpenLVEM で入手出来ます。観測装置と解析システムが十分安定した時点で、自動的にアラートが配信される予定です。試験運転中のアラートは、検出された信号がマルチメッセンジャー天文学にとって特別に科学的価値があると判断されない限り、手動による評価・検証は行われません。

O4は、最大2ヶ月の調整作業のための中断期間を含めて、20ヶ月間行われます。これは以前のアナウンスより期間が延長されていますが、それによりO4でより多くの科学的成果が得られると共に、O4終了後に予定されているアップグレードの準備により多くの時間を使えることになります。

調整作業期間、試験運転期間,そして観測運転期間について
 重力波検出器の運用は,検出器の感度向上と観測による科学データ収集のバランスを保つため,いくつかの段階を設けています。 機器のメンテナンスとアップグレードされた装置のインストールが完了すると,検出器は調整作業期間に移行します。調整作業期間では,個々のアップグレードした機器を検出器全体に統合し,可能な限り設計感度に近づけることに重点が置かれます。

 検出器が安定した感度を達成すると,試験運転が始まります。ここでは,最終的に観測運転を開始する直前の点検として,できる限りの長時間運転の実現を目標とするのです。ある段階から次の段階への移行するための判断には多くの要因が関係するため、実際の移行の決定は状況によって変わりうるものです。

重力波検出器について
 LIGOはNSFが出資するプロジェクトで,このプロジェクトを構想し創設したカリフォルニア工科大学とマサチューセッツ工科大学によって運営されています。Advanced LIGO プロジェクトへの財政的支援はNSFが主導し,ドイツ(マックス・プランク協会),英国 (科学技術施設評議会),オーストラリア(オーストラリア研究評議会)がプロジェクトに参加し,多大な貢献をしています。世界中の1,500人を超える科学者が,LIGO科学コラボレーション(GEOコラボレーションを含む)を通じてこの研究に参加しています。この他の提携先はhttp://ligo.org/partners.phpのリストにあります。

 Virgo コラボレーションは現在,15か国(主にヨーロッパ)の142の機関から参加する846人のメンバーで構成されています。欧州重力天文台(EGO)は,イタリアのピサ近郊にあるVirgo 検出器を管理しており,フランスの Center National de la Recherche Scientifique (CNRS),イタリアの Istituto Nazionale di Fisica Nucleare (INFN),オランダの国立素粒子物理学研究所 (Nikhef)から資金提供を受けています。 Virgo コラボレーションに参加している機関のリストは,http://public.virgo-gw.eu/the-virgo-collaboration/ にあります。より詳細については,Virgo の Web サイト (http://www.virgo-gw.eu) を参照してください。

 KAGRA は,岐阜県飛騨市神岡町にある 3 km の腕の長さをもつレーザー干渉計です。 ホスト機関は東京大学宇宙線研究所(ICRR)で,プロジェクトは国立天文台(NAOJ)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)との共同運営です。KAGRAコラボレーションは,17の国と地域の115機関から参加する480名を超えるメンバーで構成されています。KAGRAの一般向け情報はWebサイト https://gwcenter.icrr.u-tokyo.ac.jp/en/にあります。研究者向けの情報はhttp://gwwiki.icrr.u-tokyo.ac.jp/JGWwiki/KAGRAからアクセスできます。

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2023年4月14日

LIGO-Virgo-KAGRA O4観測運転について、前回発表した計画から2点変更となったことをお知らせします。

O4の開始時期について、LIGOとVirgoの干渉計において観測開始の前提条件としている安定性と感度のレベルに到達するための作業を行うため、現在、5月24日に観測を開始する予定です。KAGRAの干渉計では、これまでの調整作業は順調に進んでおり、観測開始までの期間を利用してより安定性と感度のレベルを高めるための作業を行います。

またO4の観測運転期間は、これまでの12か月から正味18か月に延長される予定です。この変更は、LIGOとVirgo の干渉計におけるO5までのアップグレード計画に対応するためのものです。O4の観測運転期間の延長は、KAGRAにとっても重力波の観測の可能性が高まるなど、O4の科学的成果を高め、国際コミュニティに対してより大きな貢献を果たすことが期待されます。

詳しくは以下をご参照ください。

LIGO-Virgo-KAGRAの次期観測について(LVKコラボレーション発表(和訳))

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2023年4月14日

(2023年4月14日翻訳)


LIGO-Virgo-KAGRAの次期観測について
(本ページは2023年1月19日にhttps://observing.docs.ligo.org/plan/にて発表されたものの日本語訳です。)

LIGO-Virgo-KAGRA O4観測運転の開始時期について、前回発表した計画から2点変更となったことをお知らせします。

O4の開始時期について、私たち(LIGO-Virgo-KAGRA)が観測開始の前提条件としている安定性と感度のレベルに到達するためには、まだ干渉計に課題が残っています。すべての干渉計が、O4開始時の感度目標に到達するためには、さらなる作業が必要です。現在、5月24日に観測を開始する予定です。これに先立ち、1ヶ月のエンジニアリングラン期間が設けられます。

さらに、O4の観測運転期間は、これまでの12か月から正味18か月に延長される予定です。この変更は、O5までのアップグレード計画に対応するためです。O5の感度向上は、主にLIGOとVirgoの大口径ミラーのコーティングによるものですが、この低雑音コーティングはまだ開発段階にあり、当初のO4終了日までに完了する見通しが立っていません。コーティングの開発が完了し、O5で使用する大口径ミラーがコーティングされるまで観測運転時間を延長することで、O4の科学的成果を高めることができます。また、18ヶ月の観測運転期間の途中で、メンテナンスのために1〜2ヶ月の休止期間を挟む可能性があります。

干渉計の目標感度は変更されません。LIGOは連星中性子星に対して160-190Mpcの感度を目標とします。Virgoは80-115Mpcの感度を目標としています。KAGRAは、O4年初めには 1Mpc以上の感度で動作し、2024年春には約10 Mpcまで感度を向上させる予定です。

2023年3月までは毎月第3木曜日に、O4の開始が近づくにつれて回数を増やしながらオンラインミーティングを行う予定です。ミーティングの日程と議題や資料へのリンクは、下記OpenLVKEMのwikiに掲載されています。

参考資料:OpenLVKEM Wiki pages  https://wiki.gw-astronomy.org/OpenLVEM

観測スケジュール
重力波観測のスケジュールは観測運転期間、装置の構築とコミッショニングのための観測休止期間、コミッショニングと観測運転を繋ぐエンジニアリングラン期間に分けられます。現在見込まれている長期的な観測スケジュールは以下の通りです。この図中の数字は各観測運転期間での連星中性子星合体からの重力波の観測可能距離を示しています。

O5 の開始日、期間、感度は現時点での予定であり、今後変更される可能性があります。

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2022年12月23日

 GEO600(GEO)は、ドイツ、ハノーファーの南約20kmにある、片腕の長さが600mの重力波検出用のレーザー干渉計です。マックス・プランク重力物理学研究所(アルバート・アインシュタイン研究所)によって運営されています。KAGRAはGEOと共に、2020年4月に国際共同観測を行いました。GEOはLIGOグループに属しており、GEOとKAGRAの共同観測もLIGO-Virgo-KAGRA(LVK)の協定に基づく観測運転として正式に了承されたものです。LIGOとVirgoは2019年4月より2020年4月末までの予定で第3回観測運転(O3)を行なっていました。KAGRAはそれに参加すべく感度向上作業を行い、2020年3月末にLIGOとVirgoのO3観測への参加条件とされた、連星中性子星合体の平均観測可能距離である1Mpcを達成しました。しかしながら、ほぼ同時にLIGOとVirgoの観測運転がコロナ禍のために中断されました。そのためLVKの同時観測はO3では実現できませんでしたが、コロナ禍でも連続運転を行なっていたGEOと共同観測を行うこととなったという経緯でした。LVK観測として行われたため、観測データはLVKで共有され、データ解析もLVKコラボレーションとして共同で行われました。また、この観測は略称としてO3GKと名づけられました。この共同観測結果の論文がこの度、Progress of Theoretical and Experimental Physics (PTEP) に掲載されました。

 O3GK観測運転は2020年4月7日8:00(UTC)から4月21日0:00(UTC)まで行われました。観測中の連星中性子星合体の平均的観測可能距離はKAGRAが0.66Mpc(中央値), GEOが1.06Mpc(中央値)でした。合計観測時間はKAGRAが7.29日、GEOが10.9日、観測期間中の稼働率はKAGRA が53.3%、GEOが79.8%でした。

 重力波信号探索解析としては、4種類の解析が行われました。1つ目は連星中性子星合体信号探索で、時刻や方向を指定せずに全天から到来する連星中性子星合体重力波信号が探索されました。2つ目の解析は、全天バースト重力波探索と呼ばれ、詳細な波形モデルは指定せずに、信号の強度のみを指標にして信号を検出する手法が用いられました。これらの解析では統計的に有意な重力波信号は見つかりませんでした。

 3つ目の解析はO3GK観測中にガンマ線によって観測されたショートガンマ線バーストに付随した連星合体重力波信号の探索で、4つ目はショートガンマ線バーストとロングガンマ線バーストに付随した重力波を詳細な波形を仮定せずに探索する解析です。表1にO3GKで探索が行われたガンマ線バースト4つを示しています。このうち2つはショートガンマ線バーストで、2つはロングガンマ線バーストです。これ以外にもO3GK期間中にはガンマ線バーストは観測されましたが、それらは、発生時刻にGEOとKAGRAのどちらか、あるいは両方が観測モードになっておらずデータが利用できないなどの理由により解析対象にはなっていません。2つのショートガンマ線バーストに対しては、ガンマ線バーストの発生時刻と到来方向領域からの連星合体重力波信号の探索が行われました。

ガンマ線バースト名ガンマ線バーストのタイプ
GRB200412Aロング
GRB200415Aショート
GRB200418Aロング
GRB200420Aショート
表:解析されたガンマ線バースト

 また、4つ全てのガンマ線バーストに対して、波形モデルを仮定せずに信号の強度のみを指標とした探索が行われました。以上のデータ解析の結果、統計的に有意と言える重力波信号は検出されませんでした。

 以上のガンマ線バーストのうち、GRB200415Aはガンマ線観測で決められた到来方向が距離3.5Mpcの近傍銀河NGC253と一致しており、この銀河内で発生した可能性が高いと考えられます。発生源が近傍であるため、GRB200415Aに付随した重力波を観測あるいは制限することは天体物理的に非常に重要です。しかしながら、このO3GK観測でのGEOとKAGRAの感度ではその距離までの観測は難しく、このガンマ線バーストの起源については何も言えないという結論となりました。

 以上の全ての解析で、天体物理的に有意な結果を導くことはできませんでしたが、これはO3GKでの両検出器の感度が足りなかったことに起因します。現在LVKコラボレーションで主力として用いられているソフトウエアを用いて行われたデータ解析が全て問題なく行うことができたことは、今後KAGRAの検出器感度が向上しさえすれば、KAGRAデータが重力波天文学にすぐに貢献できることを示しています。

参考文献
LIGO Scientific Collaboration, Virgo Collaboration
KAGRA Collaboration First joint observation by the underground gravitational-wave detector, KAGRA with GEO600
Progress of Theoretical and Experimental Physics, 2022, 063F01(2022)

KAGRAのイメージ図
GEO600 © H. Lück (Albert Einstein Institute Hannover)

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2022年12月12日

2022年11月13日(日)、「今年はちょっとハイブリッド!神岡で語る 宇宙と素粒子の世界最先端プロジェクト ~スーパーカミオカンデ・KAGRA一般公開~」を開催しました。 (さらに…)

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2022年8月1日

KAGRAが学認のIdP of the Year 2021を受賞しました。
詳細はこちらをご覧下さい。
https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/12215/

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2022年5月15日

[2022年5月15日更新;次回更新は2022年7月15日までの予定]

LIGO,Virgo,KAGRAは,O4観測運転を同時に開始するため密接に連携しています。2022年12月中旬にO4観測運転を開始する予定で、11月中旬には試験運転を開始する予定です。試験運転中に発見される候補イベントに対する低遅延アラートについては,低遅延システムのテストとイベントの科学的価値を保つために発信される可能性があります。

現時点では、LIGO Hanford、Virgo、KAGRAで観測を開始する予定です。各検出器のコミッショニングが進む一方で、観測準備に向けた計画が見直されています。LIGO Livingstonはアップグレード作業が予定より時間がかかっているため、2023年2月には観測に参加できる見込みになっています。現在遅れを取り戻すための対応が検討されています。

検出器の予測感度に変更はありません。LIGOは連星中性子星に対して160-190 Mpcの感度目標を立てています。Virgoは80-115 Mpcの感度を目標にしています。KAGRAはO4の初めから参加することが決まっています。そこでは1 Mpc以上の感度で運転を行い、O4の終わりまでに感度を向上させて観測を再開する予定です。

観測スケジュール

重力波観測のスケジュールは、約1年間運転する観測運転、装置の構築とコミッショニングのための観測休止期間、コミッショニングと観測運転を繋ぐ試験運転に分けられます。現在見込まれている長期的な観測スケジュールは以下の通りです。この図は各観測運転期間での連星中性子星合体からの重力波の観測可能距離を示しています。

O4では、4つの施設(LIGO Hanford (LHO)とLIGO Livingston (LLO)、KAGRA、Virgo)が、中間に1ヶ月の休止を含めた一年間の観測を予定しています。KAGRA はVirgoとLIGOともに観測を開始し、コミッショニングのために一旦観測を休止し、O4観測の終盤により感度を上げて観測を再開する予定です。

O5観測の開始日、期間、感度は、現時点での予定であり、観測開始までに変更となる可能性があります。

本件に関する問い合わせは,各コラボレーションの代表までお願いします。

  • Patrick Brady (Spokesperson, LIGO Scientific Collaboration)
        lsc-spokesperson_AT_ligo/org
  • Giovanni Losurdo (Spokesperson, Virgo Collaboration)
        virgo-spokesperson_AT_ego-gw/it
  • Jun’ichi Yokoyama (Board Chair, KAGRA Scientific Congress)
        kscboard-chair_AT_icrr/u-tokyo/ac/jp

(”_AT_” は “@” に変更して、そのあとの “/” は “.” に変更してください)

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2022年3月15日

[2022年3月15日更新;次回更新は2022年5月15日までの予定]

LIGO,Virgo,KAGRAは,O4観測運転を共に開始するために密接に連携しています.2022年12月中旬にO4観測運転を開始する予定ですが,現在でもパンデミックによる遅延を取り戻すための作業を続けています.11月中旬には試験運転を開始する予定です.試験運転中に発見される候補イベントに対する低遅延アラートについては,低遅延システムのテストとイベントの科学的価値を保つために発信される可能性があります.4月下旬にウェビナーを開催し,各検出器における作業状況と残されている課題について説明する予定です.

LIGOは連星中性子星に対して160-190 Mpcの感度目標を立てています.Virgoは80-115Mpcの感度を目標にしています.KAGRAはO4の初めに1Mpc以上の感度で運転を行い,O4の終わりまでに感度を向上させるための作業を行う予定です.

本件に関する問い合わせは,各コラボレーションの代表までお願いします。

  • Patrick Brady (Spokesperson, LIGO Scientific Collaboration)
        lsc-spokesperson_AT_ligo/org
  • Giovanni Losurdo (Spokesperson, Virgo Collaboration)
        virgo-spokesperson_AT_ego-gw/it
  • Jun’ichi Yokoyama (Board Chair, KAGRA Scientific Congress)
        kscboard-chair_AT_icrr/u-tokyo/ac/jp

(”_AT_” は “@” に変更して、そのあとの “/” は “.” に変更してください.)

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2021年12月9日

 2021年11月20日(土)にスーパーカミオカンデ・KAGRAオンライン一般公開を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、昨年に続きオンラインでの一般公開となり、飛騨市ひだ宇宙科学館カミオカラボとスーパーカミオカンデと協力して実施しました。8つのプログラムでのべ771名の方にご視聴いただきました。その中でKAGRA地下実験施設ライブツアーについてはライブ配信中最大112名の方にご視聴頂きました。

 「視聴者参加型企画 スマホで宇宙線withカミオカラボ」では、目に見えない宇宙から降り注ぐ粒子「宇宙線」を神岡町公民館に検出器を置いて測定し、スマホのアプリを通じて視聴者と一緒に検出数をカウントし、宇宙線の性質やスーパーカミオカンデがなぜ地下で実験をしているか、などを考察しました。池田一得助教(写真左)とサイエンスコミュニケーターの高知尾理さん(写真右)が、カミオカラボからの施設紹介の中継を交えながら楽しく伝えました。視聴者の方がチャットで報告してくれた観測数をグラフにして、見事に観測数が場所ごとに変わる現象が確認できました。

 「若手研究者・学生座談会」では、近くにいながら普段なかなか接点のない、KAGRAとスーパーカミオカンデの学生さんの日常生活をスーパーカミオカンデの中野佑樹特任助教(写真左上)をファシリテーターとして語り合ってもらいました。視聴者の方にもZOOMで参加いただき、「神岡生活で欲しいものは?」「普段の生活で出てしまう研究の習慣は?」「英語はどうやって勉強しますか?」などの質問に楽しく答え和やかな会になりました。

 「KAGRA地下実験施設ライブツアー」では、重力波観測研究施設長の大橋正健教授が施設内をご案内しました。KAGRA実験の肝となるレーザー干渉計の仕組みについて模型などを用いて説明しました。

 「スーパーカミオカンデ地下実験施設ライブツアー」では、スーパーカミオカンデ実験代表者の中畑雅行教授が施設内をご案内しました。YouTubeチャットでいただいた、たくさんの質問に答えながら検出器の構造やニュートリノ検出の方法などを説明しました。

 「もっと知りたい!研究者のお仕事」では、スーパーカミオカンデ、ハイパーカミオカンデ、KAGRAの最前線で活躍する研究者達が、日常どんな目標を持ち、どんな作業をしているかなどをお話し、質問にも答えていきました。

もっと知りたい!研究者のお仕事〜KAGRA〜

 横澤特任助教と譲原特任研究員がクイズも交えて、KAGRAの制御室から普段どんな研究をしているのかなどをお話しました。

もっと知りたい!研究者のお仕事〜スーパーカミオカンデ〜

 スーパーカミオカンデで水の調整グループで活躍する家城佳助教。一見物理とは関係ないと思われる水をきれいにする作業が、陽子崩壊探索やニュートリノ研究にとても重要だと語りました。

もっと知りたい!研究者のお仕事〜ハイパーカミオカンデ〜

 現在、ハイパーカミオカンデ検出器空洞へとつながるトンネル掘削を進める、田中秀和助教が検討を進めながら実験開始を目指している様子を語ってくれました。

 最後のQ&Aコーナーでは、スーパーカミオカンデの中畑教授(左)、KAGRAの宮川准教授(右)が視聴者の皆さんからの質問に答えました。

 いずれのプラグラムもたくさんの視聴者にチャット等でご参加いただき、ライブならではの双方向のやり取りが生まれました。今後とも皆様と繋がることのできるイベントを開催していきたいと思います。

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