LIGO-Virgo-KAGRAの次期観測について

[2022年5月15日更新;次回更新は2022年7月15日までの予定]

LIGO,Virgo,KAGRAは,O4観測運転を同時に開始するため密接に連携しています。2022年12月中旬にO4観測運転を開始する予定で、11月中旬には試験運転を開始する予定です。試験運転中に発見される候補イベントに対する低遅延アラートについては,低遅延システムのテストとイベントの科学的価値を保つために発信される可能性があります。

現時点では、LIGO Hanford、Virgo、KAGRAで観測を開始する予定です。各検出器のコミッショニングが進む一方で、観測準備に向けた計画が見直されています。LIGO Livingstonはアップグレード作業が予定より時間がかかっているため、2023年2月には観測に参加できる見込みになっています。現在遅れを取り戻すための対応が検討されています。

検出器の予測感度に変更はありません。LIGOは連星中性子星に対して160-190 Mpcの感度目標を立てています。Virgoは80-115 Mpcの感度を目標にしています。KAGRAはO4の初めから参加することが決まっています。そこでは1 Mpc以上の感度で運転を行い、O4の終わりまでに感度を向上させて観測を再開する予定です。

観測スケジュール

重力波観測のスケジュールは、約1年間運転する観測運転、装置の構築とコミッショニングのための観測休止期間、コミッショニングと観測運転を繋ぐ試験運転に分けられます。現在見込まれている長期的な観測スケジュールは以下の通りです。この図は各観測運転期間での連星中性子星合体からの重力波の観測可能距離を示しています。

O4では、4つの施設(LIGO Hanford (LHO)とLIGO Livingston (LLO)、KAGRA、Virgo)が、中間に1ヶ月の休止を含めた一年間の観測を予定しています。KAGRA はVirgoとLIGOともに観測を開始し、コミッショニングのために一旦観測を休止し、O4観測の終盤により感度を上げて観測を再開する予定です。

O5観測の開始日、期間、感度は、現時点での予定であり、観測開始までに変更となる可能性があります。

本件に関する問い合わせは,各コラボレーションの代表までお願いします。

  • Patrick Brady (Spokesperson, LIGO Scientific Collaboration)
        lsc-spokesperson_AT_ligo/org
  • Giovanni Losurdo (Spokesperson, Virgo Collaboration)
        virgo-spokesperson_AT_ego-gw/it
  • Jun’ichi Yokoyama (Board Chair, KAGRA Scientific Congress)
        kscboard-chair_AT_icrr/u-tokyo/ac/jp

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