LIGO-Virgo-KAGRAの次期観測について

(2023年4月14日翻訳)


LIGO-Virgo-KAGRAの次期観測について
(本ページは2023年1月19日にhttps://observing.docs.ligo.org/plan/にて発表されたものの日本語訳です。)

LIGO-Virgo-KAGRA O4観測運転の開始時期について、前回発表した計画から2点変更となったことをお知らせします。

O4の開始時期について、私たち(LIGO-Virgo-KAGRA)が観測開始の前提条件としている安定性と感度のレベルに到達するためには、まだ干渉計に課題が残っています。すべての干渉計が、O4開始時の感度目標に到達するためには、さらなる作業が必要です。現在、5月24日に観測を開始する予定です。これに先立ち、1ヶ月のエンジニアリングラン期間が設けられます。

さらに、O4の観測運転期間は、これまでの12か月から正味18か月に延長される予定です。この変更は、O5までのアップグレード計画に対応するためです。O5の感度向上は、主にLIGOとVirgoの大口径ミラーのコーティングによるものですが、この低雑音コーティングはまだ開発段階にあり、当初のO4終了日までに完了する見通しが立っていません。コーティングの開発が完了し、O5で使用する大口径ミラーがコーティングされるまで観測運転時間を延長することで、O4の科学的成果を高めることができます。また、18ヶ月の観測運転期間の途中で、メンテナンスのために1〜2ヶ月の休止期間を挟む可能性があります。

干渉計の目標感度は変更されません。LIGOは連星中性子星に対して160-190Mpcの感度を目標とします。Virgoは80-115Mpcの感度を目標としています。KAGRAは、O4年初めには 1Mpc以上の感度で動作し、2024年春には約10 Mpcまで感度を向上させる予定です。

2023年3月までは毎月第3木曜日に、O4の開始が近づくにつれて回数を増やしながらオンラインミーティングを行う予定です。ミーティングの日程と議題や資料へのリンクは、下記OpenLVKEMのwikiに掲載されています。

参考資料:OpenLVKEM Wiki pages  https://wiki.gw-astronomy.org/OpenLVEM

観測スケジュール
重力波観測のスケジュールは観測運転期間、装置の構築とコミッショニングのための観測休止期間、コミッショニングと観測運転を繋ぐエンジニアリングラン期間に分けられます。現在見込まれている長期的な観測スケジュールは以下の通りです。この図中の数字は各観測運転期間での連星中性子星合体からの重力波の観測可能距離を示しています。

O5 の開始日、期間、感度は現時点での予定であり、今後変更される可能性があります。