木曜日, 9月 20th, 2018

KAGRAの共同研究者で、東邦大学理学部准教授の関口雄一郎氏が第12回湯川財団・木村利栄理論物理学賞を受賞することが決定しました。授賞研究課題は、「連星中性子星の合体に対する現実的な素過程を組み込んだ数値相対論シミュレーション」です。

関口さん、おめでとうございます!

湯川財団・木村利栄理論物理学賞のHP

東邦大学 関口雄一郎准教授の教員紹介

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火曜日, 8月 21st, 2018

2018/8/21 東京大学宇宙線研究所

東京大学宇宙線研究所を中心として、国立天文台、高エネルギー加速器研究機構などが共同で推進し、岐阜県飛騨市の地下に建設中の重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)の最重要構成要素のひとつ、サファイア鏡(ミラー)4基すべてが完成しました。日本国内製サファイア単結晶で製作した2基のうち、最後の1基を東京大学柏キャンパスの宇宙線研究所で報道陣に公開しました。


4基全て完成したKAGRAのサファイア鏡の1基

重力波について

重力波とは、ブラックホール連星や中性子連星が合体するときなどに発生する「時空のひずみ」が波として宇宙空間をつたわるもので、1916年にアルバート・アインシュタインが一般相対性理論からその存在を予言しました。それから約100年経った2015年、アメリカにあるLIGOの2台の重力波望遠鏡が13億光年離れたところにあるふたつのブラックホールが合体した時に発生した重力波を世界で初めて直接観測し、その存在が証明されました。その後、いくつかの重力波観測に成功し、ヨーロッパのVirgo観測所も加わり、重力波で宇宙を観測する重力波天文学が幕を開けました。日本のKAGRAもこのネットワークに加わることでより正確な重力波観測をおこなうことが期待されており、現在急ピッチで観測に向けた準備がすすんでいます。

重力波望遠鏡

重力波望遠鏡は、重力波による時空のひずみを観測する装置で、望遠鏡の腕の長さ3kmに対して10のマイナス19乗メートルという、水素原子の大きさ(約10のマイナス10乗メートル)と比べて9桁ほど小さなひずみの観測をおこないます。そのためにレーザー光をビームスプリッターという鏡でL字の2本の腕の方向に分け、それぞれの先端に配置した鏡で反射させて戻ってきた光のわずかな位相差(到達時間の違い)を測定するいわゆるマイケルソン干渉計で重力波を観測します。

なぜサファイアの鏡を使うのか

この時、鏡の分子の熱運動も観測のノイズになるので、KAGRAでは鏡を冷却し分子運動によるノイズを小さくします。そこで、冷やすことでうまく熱運動を抑えることができ、熱伝導もよい(つまり冷やしやすい)サファイアの単結晶を鏡の材質として選びました。KAGRAの観測時、サファイアの熱がもっとも伝わりやすい20ケルビン(およそマイナス253℃)で運転します。
この鏡を冷却するという技術は現在常温で運転しているLIGOなどでも将来の感度向上のために導入が検討されている技術のひとつで、日本のKAGRAはその先進的なアイデアをいち早く取り入れているといえます。

サファイア鏡について

今回完成したKAGRA用のサファイア鏡は直径22㎝、厚さ15㎝、重さ23㎏で、高性能サファイアミラーとしては世界最大です。L字型に伸びる2本の長さ3㎞の腕それぞれの先端と根元でレーザー光を何百回も折り返す「光共振器」として使うため、サファイア鏡は合計4基必要で、今回で全ての鏡がそろうことになります。

光共振器を用いて感度をあげる

重力波による空間のひずみは腕の長さに比例します。つまり、できるだけ長い距離をつかって測定すると小さなひずみまで検出できるようになります。そのために世界の重力波望遠鏡は3~4kmという長い腕を持つのですが、10のマイナス19乗メートルという小さなひずみの検出のためには1往復では足りないため、それぞれの腕の先端と根元に鏡を向かい合わせに置き、合わせ鏡の要領でレーザー光を何百回も往復させて(KAGRAの場合約1000回)実効的な距離を稼ぎます。この仕組みを光共振器と呼びます。
感度を高めるには共振器の中に光を効率よくため込む必要があります。KAGRAの場合、光が共振器の中を一往復する間に失うレーザーパワーを100ppm(1/10000)以内に抑えることを目標としています。ところが、往復する間に光が共振器の外に漏れたり鏡に吸収されたりするのでこれは簡単ではありません。例えば、レーザー光が真空ダクト内を伝搬する間に径が広がるのを防ぐため、鏡の表面をわずかに凹面にして光を集めるようにしています。また、凹面部分が完全な球面ではなくわずかでも誤差があると共振器の外に光が逃げて行ってしまうため、鏡を研磨するときに極力この誤差を小さくし、かつ反射膜コーティングの膜厚が一様になるような非常に厳しい要求値で製作しています。KAGRAで用いるサファイアで鏡を作る場合、この厳しい要求値を大きなサイズで実現できるかどうかは前例がなくやってみるまでわかりませんでした。


サファイア鏡の設置場所。エンドミラーは□で示した低温容器内に、
インプットミラーは○で示した低温容器内に設置する。

国内結晶メーカーと共同で新たな課題を克服

KAGRAの4基のサファイア鏡のうち、腕の先端に設置したはじめの2基の鏡(エンドミラー)はレーザー光の反射のみを考えればよく、米国製のサファイア結晶から製作した鏡が要求性能を満たしました。一方、手前に設置する2基の鏡(インプットミラー)は入射するレーザー光や光検出器へと導くレーザー光がサファイア結晶中を通過します。このとき結晶中の屈折率が一様でないとレーザー光がゆらぎ、感度低下の一因となってしまいます。また、結晶中の屈折率が変化する部分では、光の吸収も大きいことがわかりました。一般にサファイア結晶はLIGOなどで用いられている合成石英と比べて屈折率の非一様性がひと桁ほど大きく、屈折率がなるべく一様で低吸収の結晶を開発することが3、4基目のサファイア鏡(インプットミラー)の成功の鍵となっていました。東京大学宇宙線研究所の廣瀬榮一特任助教の率いるKAGRAの鏡チームは日本国内の結晶メーカーと試行錯誤しながらなんとか要求値を満たすサファイア結晶を製作することに成功しました。さらに、わずかに残った屈折率の非一様性の影響を抑えるために鏡の厚さを場所によって変更を加えることで補正し、十分な性能のインプットミラーが完成しました。

今後の見通し

今回完成したサファイア鏡を今秋KAGRAの低温真空容器内に設置し、2019年内に最終構成での観測を開始できるよう調整を続けます。その先を見据え、鏡チームはサファイア鏡をさらに大型化することで低周波数域(100Hz以下)での感度を飛躍的に上昇することを検討しています。そのために、この春から前述の結晶メーカーと東京大学宇宙線研究所の間で100㎏クラスのサファイア結晶開発を目指した共同研究契約を結び、KAGRAのインプットミラー用結晶開発で得た経験とノウハウをベースにした研究開発を開始しました。

補足:KAGRA用サファイア鏡製作にかかわっている協力団体

株式会社信光社(インプットミラー用低吸収結晶、日本)
GTクリスタルシステムズ(エンドミラー用結晶、アメリカ)
AMETEK, ZYGO Extreme Precision Optics(研磨、アメリカ)
LMA(コーティング、フランス)
Coastline Optics(スペアエンドミラー製作、インプットミラー研磨の一部、アメリカ)
CSIRO(サファイアミラープロトタイプ製作、オーストラリア)
Caltech, the LIGO laboratory(サファイアミラー評価、アメリカ)
東京大学物性研究所工作室(サファイアミラー用ハンドリング冶具製作、日本)

関連するニュース記事

– 日本経済新聞 – 重力波望遠鏡「かぐら」心臓部の鏡を公開 東大 リンク

– 産経ニュース – 重力波観測施設「かぐら」のサファイア鏡がすべて完成 来年秋に観測開始へ 東京大 リンク

– 日テレニュース24 – 重力波観測装置「KAGRA」主要部品公開 リンク

– NHK News Web – 「重力波」を観測する「KAGRA」の鏡が完成 リンク

 

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土曜日, 8月 18th, 2018

2018/8/21 KAGRAサファイア鏡公開 資料

KAGRAサファイア鏡公開にご参加くださりありがとうございました。配布資料および追加の資料を以下からダウンロードできるようにいたしました。記事作成等にご活用ください。

【お願い】以下の写真、図表等を使用の際には「東京大学宇宙線研究所 提供」などのクレジット表記をお願いします。

8月9日配布、メディア向け案内 KAGRA-mirror.pdf

8月21日配布、参考資料 Handout-v2.1

発表に使用したスライド SapphireMirror.pdf

KAGRA解説用図表等


KAGRA検出器俯瞰・透視図(鏡についての説明入り)。⽶国製結晶を⽤いたエンドミラーは□で⽰した低温容器内に、⽇本製結晶を⽤いたインプットミラーは○で⽰した低温容器内に設置。


KAGRA検出器俯瞰・透視図(説明文字なし)


KAGRAアームトンネル

事前に撮影したサファイア鏡の写真

(画像をクリックすると大きなサイズで表示されます)


表面の洗浄のために保護膜を塗布したサファイア鏡


保護膜をはがす様子


支持台に置かれたサファイア鏡。手前が反射面、裏側が入射面。


別角度より撮影、手前が反射面、裏側が入射面


鏡側面には識別のための記号(ITMY)とレーザー入射方向を示す矢印の刻印が施されている。


さらに別角度より撮影、手前が反射面、裏側が入射面

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火曜日, 7月 17th, 2018

7月14日、岐阜市の岐阜新聞本社にて、「サイエンスカフェin岐阜市」を開催し、宇宙線研究所重力波観測研究施設の宮川治助教が「アインシュタイン100年の宿題に答えるKAGRA -神岡からの新たな挑戦-」と題し、38度を記録する猛暑の中来場した約30名の中高生、一般の皆様と熱く議論を交わしました。 (さらに…)

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金曜日, 6月 15th, 2018

8月12日(日)岐阜県飛騨市の神岡図書館で、作家の小川洋子さんを招き「喫茶室かぐら」を開催します。天文学者の渡部潤一さんをマスターに、常連客として作家の小川洋子さん、新聞記者の青野由利さん、重力波観測研究施設長の大橋正健教授が会話を繰り広げるトークイベントです。

(さらに…)

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水曜日, 4月 11th, 2018

2018年3月30日、米国の重力波望遠鏡LIGO (ライゴ) Scientific Collaborationの前スポークスパーソン、ルイジアナ州立大学のGabriela González(ガブリエラ ゴンザレス)教授が、岐阜県飛騨市のKAGRA実験施設を訪問しました。

地下トンネル内のKAGRA実験施設では、2015年までルイジアナ州立大でLIGOの研究を行なっていた東京大学宇宙線研究所の苔山圭以子助教の案内で、入り口から3km先のトンネル先端での鏡のインストールの様子などKAGRAの本格観測へむけた準備状況を興味深く視察しました。

2019年に予定されているKAGRAの本格観測開始、LIGOや欧州のVirgoとの共同観測にむけて一層の研究交流、協力が深まることが期待されます。


かぐらの地下実験施設を訪問したルイジアナ州立大学のGabriela González教授(中)と案内をした宇宙線研究所の苔山圭以子助教(左)。かぐらのアームトンネル先端付近にて撮影。

かぐらのサファイア鏡を低温容器内に設置し、調整する様子を視察中。

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月曜日, 3月 12th, 2018

2018/3/12

大型低温重力波望遠鏡KAGRAの最重要な構成品のひとつ、サファイア鏡が、富山大学での部品のとりつけと強度試験を終え、岐阜県飛騨市のKAGRAの実験施設に到着しました。KAGRAの目標感度に到達するための高品質なサファイア鏡が施設内に運び込まれるのは今回が初めてです。

写真1 厳重に梱包されたサファイア鏡をKAGRAのうでの先端まで運ぶ様子

KAGRAは、3kmの長さのうでを2本持つレーザー干渉計です。先行する重力波望遠鏡のLIGO、VirgoにないKAGRAの大きな特徴として、「地下にある」ことと「冷やす」ことがあります。空間の小さな伸び縮みを観測する際、あらゆる「振動」が観測の障害となります。KAGRAでは、地下200mより深いところにトンネルを掘って設置することで地面の振動の影響を地表の約100分の1まで抑え、鏡とその防振システムをマイナス253度まで冷やすことで熱による振動の影響を小さくします。

LIGOやVirgoの鏡に使われている石英と比べ、サファイアは冷やすことで効率的に熱による振動を少なくでき、また低温状態を維持しやすい(熱伝導率が大きい)という性質を持っています。このため、KAGRAでは冷やして使うのに最適なサファイアを鏡の材料として採用しました。

KAGRAで使用する鏡は直径22cm、厚さ15cm、重さ23kg、単結晶の無色透明のサファイアでできています。L字型に直交する2つのうでの先端と根元の計4カ所に設置します。今回のサファイア鏡は片方(X方向)のうでの先端に設置します。残りの3台は2019年春までに設置する予定です。

写真2 防振装置に吊り下げるための「耳」の取り付け加工のため洗浄中のサファイア鏡。
表面の赤い色はほこり付着防止のために施された保護膜。(2018年2月 富山大学)

富山大学は、2013年にKAGRAの共同研究機関となりました。岐阜県飛騨市にあるKAGRAの最寄りの国立大学として、主にレーザー関連の研究開発に貢献しています。研究者や大学院生、学部生は富山大学五福キャンパスに設置したクリーンルームを活用して研究をすすめ、さらにKAGRAのある岐阜県飛騨市で装置の設置や調整にも参加しています。

2017年の春から、富山大学のクリーンルームを利用したKAGRAの重要な作業である、サファイアの鏡に同じくサファイアでできた「耳」と呼ばれる部品の取り付けを始めました。この部品は、やはりサファイアでできているファイバーで鏡を吊り下げる時の接続の手がかりとなるもので、KAGRAに運ぶ前に富山大学で取り付け加工を行います。これまでの約1年間にわたり、鏡と同じサイズのサファイアの塊に耳を取り付ける練習などを繰り返し、予備のサファイア鏡2台に取り付けを行ったのち今回初めて本番の鏡に取り付けました。2018年中に残り3台の鏡が運び込まれ、富山大学で耳のとりつけ加工を行います。

写真3 KAGRA実験施設内で坑内運搬用の電動三輪車にサファイア鏡を移し替える様子

3月8日、サファイア鏡の運搬に先立ち、富山大学のクリーンルーム内で耳の接合の強度試験中のサファイア鏡を報道各社に公開しました。そして3月9日、富山大学からおよそ40km南に位置する岐阜県飛騨市のKAGRA実験施設へと運搬しました。KAGRA施設内では、前日に続いて報道陣に見守られる中、地上運搬用のワゴン車から地下運搬用の電動三輪車へと慎重に移し替え、サファイア鏡を設置するうでの先端までの運搬を完了しました。

KAGRA実験では、今回公開したサファイア鏡を一方(X方向)の腕の先端に取り付け、すでにY方向の先端に取り付けられている予備の鏡と共に冷却し、今春中に鏡を冷却した運転を行います。
2018年中に残り3台のサファイア鏡を準備し、両方のうでの先端と根元に設置して調整、改良をすすめた上で、2019年中に最終的な構成での運転を開始、LIGO、Virgoとの共同観測をめざします。

KAGRAプロジェクト代表 梶田隆章教授のコメント

今回、重力波望遠鏡KAGRAは、その建設の中でも、特に困難でかつ世界に先駆けた挑戦である、サファイアを基材とする鏡の作成に成功し、KAGRAで必要とされる4枚のサファイアの鏡の最初の鏡がKAGRAに装着される段階にまで到達しました。

特に、KAGRAの協力大学である富山大学では、KAGRA内での鏡の装着に必要な最終工程が行われており、重要な貢献をしていただいています。KAGRAは、さらに残り3枚のサファイア鏡を装着し、調整をした後、アメリカのLIGOやヨーロッパのVirgo重力波望遠鏡との重力波共同観測を2019年中に開始することを目指し、さらに建設を加速させていく所存です。

KAGRAプロジェクト代表 東京大学宇宙線研究所長 梶田隆章

関連リンク

KAGRAのサファイア鏡が完成、低温運転へ

重力波をとらえる望遠鏡KAGRA 日本発の低温技術が世界のスタンダードに

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金曜日, 3月 2nd, 2018

2018年3月2日

大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」の本格運転を控え、東京大学宇宙線研究所は研究スペースを拡張するため、岐阜県飛騨市神岡町茂住地区の神岡町北部会館を改修しました。3月2日、重力波観測研究施設は多大な協力をいただいた茂住地区の皆様への内覧会を開催しました。

神岡町北部会館は1984年に閉校した神岡町立茂住小学校の跡地に茂住地域の公民館施設、保育園として建設されました。2012年、北部会館1階の一部を改修して大型低温重力波望遠鏡KAGRAの建設の拠点としました。その後2014年には常駐する研究者の増加にともない、北部会館のすぐ隣にデータ収集解析棟を建設しましたが、2018年以降のKAGRAの本格運転にあたり、さらに研究スペースが必要となっていました。今回、重力波観測研究施設は、地域の方々の集会などで使われていた2階部分を含めた北部会館全体の使用許可をいただき、研究室と会議室として改修しました。

地域の皆様、飛騨市の関係者など約50名が参加した内覧会では、梶田宇宙線研究所長のあいさつ(全文はこちら)に続き、都竹飛騨市長により地域の皆様への感謝と研究推進への期待の言葉が述べられ、大橋重力波観測研究施設長による工事とKAGRA研究の現況の説明が行われました。内覧会の後半は今回改修した部屋で改修箇所や以前のまま残した箇所などの説明が行われ、地域の皆様の北部会館での思い出話なども交わされました。

なお、今回の改修工事は東京大学基金の大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクトへの寄付に基づいて行われました。


改修が完了した神岡町北部会館(奥側)と、データ収集解析棟(手前)


挨拶を述べる梶田宇宙線研究所長


都竹飛騨市長によるご挨拶


⼤橋重⼒波観測研究施設⻑による⼯事とKAGRA研究の現況説明


地域の皆様と談笑する梶⽥所⻑


都⽵市⻑、梶⽥所⻑、⼤橋施設⻑を囲んで記念写真

梶⽥隆章宇宙線研究所⻑による始めの挨拶全⽂

本日は,北部会館改修工事完成内覧会にご参加いただきましてありがとうございます。

ただいま紹介いただきました,東京大学宇宙線研究所所長の梶田です。

皆さまご存知かと思いますが,この北部会館は昭和59年に閉校した茂住小学校の跡地に,地域の公民館施設,保育園として建設された施設です。

私共がこの施設を飛騨市様から初めてお借りして使用させていただいたのは,今から6年前の平成24年のことになります。現在池之山の地下に建設中の大型低温重力波望遠鏡KAGRAの建設を始めるにあたり東茂住地内での拠点となる施設を探していたところ北部会館を使用させていただけるというお話しがあり,1階部分を改修して使用させていただいたのが始まりです。

その後,KAGRAの建設が進むにつれて神岡に常駐して研究する研究者や学生等も次第に増えていったため,平成26年には北部会館の直ぐ隣にデータ収集解析棟を建てさせていただき,平成28年にはKAGRAの初期運転を行うことができました。その後現在はこの春の低温鏡を入れての運転を目指して日々地下や地上にて作業を進めていますが,神岡に来る研究者や学生がこれまで以上に増えているため,これらの建物だけでは手狭になってしまい大変困っておりました。

このような中で,昨年飛騨市様と連携協力に関する協定を締結することができました。これは,飛騨市様と東京大学宇宙線研究所が連携協力を進めることで,学術研究,人材の育成及び地域社会の発展に寄与することを目的としたものです。その中には,研究環境の整備に関する事項も含まれております。

そこで都竹飛騨市長様へ北部会館の2階部分を含めて全体を使用させていただけないかとご相談させていただいたところ,北部会館の機能を夢館に移動する改修を飛騨市様に実施していただくなど飛騨市様の多大なご協力並びに北部会館の利用について地域の皆さまのご理解をいただき,今日の北部会館改修工事の完成に至ることができました。

これはひとえに飛騨市様,地域の皆さまのご理解とご協力があってのものであると深く感謝いたします。なお、今回の改修工事は東京大学基金の大型低温重力波望遠鏡(KAGRA)プロジェクトへの皆さまからのご寄付に基づいて行いましたことを申し添えます。

この北部会館ではこれからのKAGRAを担う大勢の若い研究者や学生が日々研鑽する場所として使用させていただきます。

これからKAGRAでは平成31年中の本格観測を目指して教職員や学生みんなで精一杯事業を進めてまいります。ここ神岡の地から皆さまに新しい発見や嬉しい報告が出来るように努めてまいりますので,引き続きご支援ご協力を賜りますよう今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

平成30年3月2日
東京大学宇宙線研究所長 梶田隆章

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日曜日, 2月 25th, 2018

2月25日(日)、富山市天文台のサイエンスカフェで、東京大学宇宙線研究所 重力波観測施設の宮川治助教が「重力波で『聞く』宇宙の神秘」について講演を行いました。 (さらに…)

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土曜日, 2月 24th, 2018

2月24日(土)、岐阜県飛騨市神岡町で開催されたひだサイエンスカフェにて、東京大学宇宙線研究所 重力波観測研究施設の横澤孝章特任研究員が「重力波とKAGRAと超新星爆発」について講演しました。
(さらに…)

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木曜日, 2月 8th, 2018

2018/2/8

岐阜県飛騨市で建設中の大型低温重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)の主要な構成品である、4台のサファイア鏡のうち2台が2017年末に完成しました。 そのうちの1台をKAGRAに組み込み、今春中の低温運転を目指します。いよいよ、3kmというサイズの干渉計では世界初となる、低温鏡を使った運転が始まります。
(さらに…)

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木曜日, 1月 18th, 2018

2月25日(日)富山市天文台のサイエンスカフェで宮川治助教が「重力波で『聞く』宇宙の神秘」について講演します。

(さらに…)

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木曜日, 1月 18th, 2018

2月3日(土)〜5月27日(日)富山市天文台において企画展示「ブラックホールと重力波」が開催されます。

詳しくは富山市天文台のWebページをご覧ください。

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金曜日, 1月 12th, 2018

2月24日(土)、神岡町で開催されるひだサイエンスカフェ&科学少年団で、横澤孝章特任研究員が講演します。 (さらに…)

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