KAGRA見学会を開催しました

11月17日(土)、大型低温重力波望遠鏡 KAGRA(かぐら)の一般向け見学会を開催しました。
飛騨市、飛騨アカデミーと東京大学宇宙線研究所の共催で、5回目となる今回の見学会は、2019年秋を予定しているKAGRAの本格観測開始前の最後の見学のチャンスということで定員を大きく超える申し込みがあり、抽選で選ばれた150名が参加する大変盛況な見学会となりました。

約500mの長さのアクセストンネルを徒歩で入坑し、地下200メートルの中央実験室に設置されたKAGRAのレーザー干渉計の大きな機器や、長さ3kmのアーム部で目では見えなくなるほどまで続く長い真空パイプを見学した参加者の皆様は、各所での研究者、大学院生の説明に耳を傾けました。案内の合間には空間のごく小さな伸び縮みを測る観測の仕組みや、研究生活などについての質問も活発に飛び出しました。

例年秋にKAGRA見学会が開催されていますが、2019年秋はKAGRAが本格観測を開始し、わずかな揺れでも観測に影響を与えてしまうため、研究者も装置に近づくこともできなくなります。そのため見学会も開催されない見込みです。その後は検出器のアップグレードなどのタイミングで見学会を開催することが検討されています。参考記事へのリンク


地下の実験施設へ向け、徒歩で入坑する参加者のみなさま


大橋施設長による概要説明


宮川助教による重力波についての説明


高エネルギー加速器研究機構の木村准教授による観測技術についての解説。
参加者は実験室のクリーンな環境を守るため、防塵服を着用しています。


実験室内、鏡の揺れを防ぐ防振装置の前で大学院生の中野氏による装置の説明


3km続くアームトンネル内で富山大学の山元准教授による解説


同トンネル内で牛場助教による解説


今回の見学会ではアームトンネルを500m先まで歩く「特別便」が設けられ、歩いた先で現れる東京大学地震研究所の地物干渉計を見学しました。

関連する報道へのリンク

NHK NEWS WEB「重力波観測施設『KAGRA』の見学会」

CBC NEWS「重力波望遠鏡『KAGRA』が最後の一般公開 YouTube

毎日新聞「『かぐら』本格観測開始前、最後の見学会」

共同通信47Web「望遠鏡かぐら、最後の一般見学会 重力波を本格観測へ

中京テレビ「重力波望遠鏡『KAGRA』運用前最後の見学会」

FNN「来秋から本格的観測へ…東大宇宙線研究所の重力波望遠鏡『KAGRA』 “最後”の一般見学会」

NNN「重力波望遠鏡『KAGRA』運用前最後の見学会」

朝日新聞デジタル「重力波どう観測? KAGRA、見学してみた」