2021年12月9日

 2021年11月20日(土)にスーパーカミオカンデ・KAGRAオンライン一般公開を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、昨年に続きオンラインでの一般公開となり、飛騨市ひだ宇宙科学館カミオカラボとスーパーカミオカンデと協力して実施しました。8つのプログラムでのべ771名の方にご視聴いただきました。その中でKAGRA地下実験施設ライブツアーについてはライブ配信中最大112名の方にご視聴頂きました。

 「視聴者参加型企画 スマホで宇宙線withカミオカラボ」では、目に見えない宇宙から降り注ぐ粒子「宇宙線」を神岡町公民館に検出器を置いて測定し、スマホのアプリを通じて視聴者と一緒に検出数をカウントし、宇宙線の性質やスーパーカミオカンデがなぜ地下で実験をしているか、などを考察しました。池田一得助教(写真左)とサイエンスコミュニケーターの高知尾理さん(写真右)が、カミオカラボからの施設紹介の中継を交えながら楽しく伝えました。視聴者の方がチャットで報告してくれた観測数をグラフにして、見事に観測数が場所ごとに変わる現象が確認できました。

 「若手研究者・学生座談会」では、近くにいながら普段なかなか接点のない、KAGRAとスーパーカミオカンデの学生さんの日常生活をスーパーカミオカンデの中野佑樹特任助教(写真左上)をファシリテーターとして語り合ってもらいました。視聴者の方にもZOOMで参加いただき、「神岡生活で欲しいものは?」「普段の生活で出てしまう研究の習慣は?」「英語はどうやって勉強しますか?」などの質問に楽しく答え和やかな会になりました。

 「KAGRA地下実験施設ライブツアー」では、重力波観測研究施設長の大橋正健教授が施設内をご案内しました。KAGRA実験の肝となるレーザー干渉計の仕組みについて模型などを用いて説明しました。

 「スーパーカミオカンデ地下実験施設ライブツアー」では、スーパーカミオカンデ実験代表者の中畑雅行教授が施設内をご案内しました。YouTubeチャットでいただいた、たくさんの質問に答えながら検出器の構造やニュートリノ検出の方法などを説明しました。

 「もっと知りたい!研究者のお仕事」では、スーパーカミオカンデ、ハイパーカミオカンデ、KAGRAの最前線で活躍する研究者達が、日常どんな目標を持ち、どんな作業をしているかなどをお話し、質問にも答えていきました。

もっと知りたい!研究者のお仕事〜KAGRA〜

 横澤特任助教と譲原特任研究員がクイズも交えて、KAGRAの制御室から普段どんな研究をしているのかなどをお話しました。

もっと知りたい!研究者のお仕事〜スーパーカミオカンデ〜

 スーパーカミオカンデで水の調整グループで活躍する家城佳助教。一見物理とは関係ないと思われる水をきれいにする作業が、陽子崩壊探索やニュートリノ研究にとても重要だと語りました。

もっと知りたい!研究者のお仕事〜ハイパーカミオカンデ〜

 現在、ハイパーカミオカンデ検出器空洞へとつながるトンネル掘削を進める、田中秀和助教が検討を進めながら実験開始を目指している様子を語ってくれました。

 最後のQ&Aコーナーでは、スーパーカミオカンデの中畑教授(左)、KAGRAの宮川准教授(右)が視聴者の皆さんからの質問に答えました。

 いずれのプラグラムもたくさんの視聴者にチャット等でご参加いただき、ライブならではの双方向のやり取りが生まれました。今後とも皆様と繋がることのできるイベントを開催していきたいと思います。

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2021年11月15日

[最終更新: 2021年11月9日 (次回更新予定: 2022年3月15日)]

LIGO、Virgo、KAGRAは,O4観測をともに開始するため緊密に調整を行っています。各地域および全世界的な逆境の中ではありますが,2022年12月中旬にO4観測を開始する予定です。

LIGOは,最終的な目標感度として,連星中性子星に対して160〜190Mpcを想定しています。Virgoは,80〜115Mpcの目標感度を想定しています。KAGRAは、O4の開始時に1Mpcを超える感度で稼働することが見込まれており,O4終盤に向けて感度の向上に取り組みます。

本件に関する問い合わせは,各コラボレーションの代表までお願いします。

  • Patrick Brady (Spokesperson, LIGO Scientific Collaboration)
        lsc-spokesperson_AT_ligo/org
  • Giovanni Losurdo (Spokesperson, Virgo Collaboration)
        virgo-spokesperson_AT_ego-gw/it
  • Jun’ichi Yokoyama (Board Chair, KAGRA Scientific Congress)
        kscboard-chair_AT_icrr/u-tokyo/ac/jp

(”_AT_” は “@” に変更して、そのあとの “/” は “.” に変更してください。)

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2021年11月8日

LIGO-Virgo-KAGRAの国際重力波ネットワークは,11月7日,2020年3月に終了した第3期観測期間(O3)の解析結果を,GWTC-3(突発的重力波カタログ第3版)として論文として発表するとともに,観測期間のデータを公開しました.GWTC-3には,O3後半に発見された35のイベントが加わり,2015年9月に重力波の初観測に成功して以来,全部で90の重力波イベントが特定されました。

LIGO-Virgo-KAGRAでは,このカタログを用いた,相対性理論の検証に関する論文,KAGRAとGEO600が2020年4月に行った観測に関する論文などを発表する準備を進めています。

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2021年11月3日

ハードウェア障害の兆候が見られたため,予防措置として緊急メンテナンスを実施しました。
ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。現在は復旧しています。
(ダウン時間: 11月3日(水) 10:00〜15:00)

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2021年10月21日

東京大学宇宙線研究所のホームページに「オンライン記事並びに週刊誌の報道について」を掲載しました。
https://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/news/10902/

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2021年10月20日

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2021年9月15日

[最終更新: 2021年9月15日(次回更新: 2021年11月15日)]

LIGO-Virgo-KAGRAコラボレーションは、O4観測実施の準備について、COVID-19とハリケーンの影響を調査しているところです。その結果、O4は2022年8月より前に開始されないことを改めて確認し,さらに遅れる可能性があることをお知らせします。次回の更新時(2021年11月15日まで)に、より具体的なスケジュールを公表します。

COVID-19とハリケーン・アイダがルイジアナに与えた被害により「周波数依存スクイーズイングシステム (the Frequency Dependent Squeezing system)」の作業が遅れています。LIGO-HanfordとLIGO-Livingstonの検出器の準備状況は依然として不透明です。ハリケーン・アイダは、LIGO-Livingston観測所のスタッフとその家族にも影響を与えました。影響の全容はまだわかっておらず、影響の緩和策を模索しています。

Virgoは、O4のアップグレードの構築を完了し、現在、コミッショニング中です。
Virgo検出器の準備が不透明になる可能性があるとすれば,主にコミッショニングの進捗状況によるものです。

KAGRAは、VirgoおよびLIGOと共にO4へ参加するべく作業中です。
COVID-19の影響と神岡サイトの人手不足により、O4への参加開始可能になるのは2022年8月より遅くなると見込まれています。

本件に関する問い合わせは,各コラボレーションの代表までお願いします。

● Patrick Brady (Spokesperson, LIGO Scientific Collaboration); lsc-spokesperson_AT_ligo/org
● Giovanni Losurdo (Spokesperson, Virgo Collaboration); virgo-spokesperson_AT_ego-gw/it
● Jun’ichi Yokoyama (Board Chair, KAGRA Scientific Congress); kscboard-chair_AT_icrr/u-tokyo/ac/jp
  (”_AT_” は “@” に変更して、そのあとの “/” は “.” に変更してください。)

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2021年8月5日

NHK575でカガク「重力波」、緊急事態宣言による収録延期により、俳句の募集期間が8月29日(日)まで延長されました。

詳細は こちら を参照してください。

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2021年8月5日

2021年度の「KAGRA一般公開」につきまして、現地開催は中止とし、2021年11月20日(土)にスーパーカミオカンデ、ひだ宇宙科学館カミオカラボと合同にて、オンラインでの開催を予定しています。 (さらに…)

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2021年7月15日

[2021月7月15日更新,次回の更新は,2021年9月15日までに行います]

LIGO-Virgo-KAGRAのコラボレーションでは、次期観測O4(Observation 4)に備えて、各検出器の改良を進めています(Virgoでは新たな機器の入れ替えを完了しました)。しかしながら,主要な調達の遅れと新型コロナ感染症関連の遅れの両方のために、O4観測の開始日を確定することができません。現時点では,2022年8月までに開始することは無理であるとの合意です。2021年9月15日までにはより詳細な予定を案内いたします。

本件に関する問い合わせは,各コラボレーションの代表までお願いします。
● Patrick Brady (Spokesperson, LIGO Scientific Collaboration);
          lsc-spokesperson_AT_ligo/org
● Giovanni Losurdo (Spokesperson, Virgo Collaboration);
          virgo-spokesperson_AT_ego-gw/it
● 真貝寿明 (Board Chair, KAGRA Scientific Congress);
          kscboard-chair_AT_icrr/u-tokyo/ac/jp
(”_AT_” は “@” に変更して、そのあとの “/” は “.” に変更してください。)

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2021年6月29日

アドバンストLIGO(ライゴ)とアドバンストVirgo(ヴィルゴ)が,中性子星とブラックホールの連星からの重力波を観測しました。
(引用元: https://www.ligo.org/science/Publication-NSBHDiscovery/

2020年1月5日,米国ルイジアナ州リビングストンにあるアドバンストLIGOとイタリアにあるアドバンストVirgoの2台の重力波検出器は,中性子星とブラックホールの連星からの重力波を観測しました。渦巻を描いて中性子星とブラックホールが接近するインスパイラル軌道の最後の数回転とその後に中性子星とブラックホールが合体する現場を観測したのです。さらに,そのわずか10日後の1月15日に,米国ワシントン州ハンフォードにあるもう1台のアドバンストLIGOを含めた3台の検出器が2番目の中性子星とブラックホールのインスパイラル軌道と合体からの重力波を観測しました。これらの新しいイベントは,GW200105とGW200115と呼ばれます。中性子星とブラックホールの組み合わせからの重力波が観測されたのはこれが初めてです。


重力波観測と電磁波観測で測定された中性子星とブラックホールの質量
(Image credit: LIGO-Virgo & Frank Elavsky, Aaron Geller, Northwestern University)
(詳細は,リーフレット参照)


GW200105とGW200115を放出した天体の,ブラックホール(横軸)と
中性子星(縦軸)の質量の推定 (詳細は,リーフレット参照)

詳しくは,リーフレット「新しい重力波源:中性子星とブラックホールの連星」 をご覧ください。
(英語版はこちら

論文の全文(英語)は,こちら(無料のプレプリント)で読むことができます。

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2021年6月25日

「KAGRAの現状」

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2021年6月25日


「KAGRAの現状」

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2021年6月17日

NHK「575でカガク!」 で,2021年度の俳句を募集中です。「重力波」(7月11日まで)

詳細は こちら を参照してください。

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2021年1月19日

2月7日多摩六都科学館サイエンスカフェ「重力波天文学の開幕」に横澤孝章 特任助教が登壇 (さらに…)

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2021年1月5日

2021年1月4日、井上信治 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)が岐阜県飛騨市神岡町を訪問、スーパーカミオカンデとKAGRA、ひだ宇宙科学館カミオカラボを視察されました。

視察に先立ち、東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設において概要説明を行い、スーパーカミオカンデ、ハイパーカミオカンデの説明に続いて大橋正健 重力波観測研究施設長がKAGRAの研究概要、地域とのつながりや、これからの研究の進展などについて説明しました。また都竹淳也 飛騨市長による飛騨市と東京大学との協力関係についての説明がありました。

KAGRAの地下実験施設では、梶田隆章 宇宙線研究所長と大橋施設長の案内で、アップグレード作業のため真空容器から取り出されているサファイア鏡や、トンネル内の3kmの長さの真空ダクトなどを前に、KAGRAのレーザー干渉計の仕組みやトンネル、実験装置の建設などについての説明を行いました。

視察の最後には、大臣から、「宇宙の神秘の解明を!!」とのメッセージを色紙にいただきました。

神岡宇宙素粒子研究施設で概要説明を行う様子

KAGRAの中央実験室で重力波望遠鏡についての説明の様子

KAGRAのアームトンネル内で真空ダクトについて説明を聞く井上大臣

色紙にメッセージをいただきました

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東京大学宇宙線研究所ホームページのトピックス

神岡宇宙素粒子研究施設のトピックス

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