重力波観測の礎を築いたライナー・ワイス氏に哀悼の意を表します
アメリカのLIGOプロジェクトの共同創設者であり、マサチューセッツ工科大学名誉教授のライナー・ワイス氏が、2025年8月25日にご逝去されました。
この訃報に接し、KAGRAプロジェクトに関わる研究者一同、心より哀悼の意を表します。
ワイス氏は、2015年に重力波の初検出を達成した「LIGO検出器および重力波観測への決定的な貢献」により、バリー・C・バリッシュ氏、キップ・S・ソーン氏とともに、2017年にノーベル物理学賞を受賞されました。
重力波観測に携わる以前には、気象観測気球を用いた宇宙マイクロ波背景放射のスペクトル測定や、NASAの宇宙背景放射探査計画(COBE計画)の共同設立者としても活躍されました。ワイス氏が推進された精密な観測技術の数々は、私たちの宇宙に対する理解を大きく前進させました。
KAGRAプロジェクト代表である梶田隆章・東京大学宇宙線研究所卓越教授からのコメントを以下に掲載いたします。
「ワイス先生のレーザー干渉計を用いた重力波観測の提案が元になって現在の重力波観測の黄金時代が到来しました。我々もKAGRAでワイス先生の偉大なアイデアを引き継いで一日も早く重力波を観測し、重力波天文学の発展に貢献していきたいと思います。」
出典
MIT News: https://news.mit.edu/2025/professor-emeritus-rainer-weiss-dies-0826
Virgo News: https://www.virgo-gw.eu/news/goodbye-rai-weiss/
