LIGO-Virgo-KAGRAの次期観測について

 [2022年6月15日更新;次回更新は2022年9月15日までの予定]

 LIGO,Virgo,KAGRAは,O4観測運転を共に開始するために密接に連携しています。

 O4準備のスケジュールに関する最新の評価の結果、O4観測は2023年3月に開始し、観測開始の1ヶ月前には試験運転を開始する予定です。試験運転中に発見される候補イベントに対する低遅延アラートについては,低遅延システムのテストとイベントの科学的価値を保つために発信される可能性があります。

 観測運転はLIGO Hanford、LIGO Livingston、Virgo、KAGRAによって開始される予定です。検出器の改良と感度向上作業が進む一方で、開始に向けた計画は常に見直されています。O4開始時期の更新は、検出器の改良と感度向上作業のスケジュールの見直しが原因です。 O5の計画はまだ策定中ですが、これまでの観測の経験から、O5では観測時の問題点を解決し改良を行うために、数ヶ月間の観測中断が1回あるいは数回必要であると予想しています。

 検出器の予測感度に変更はありません。LIGOは連星中性子星に対して160-190 Mpcの感度目標を立てています。Virgoは80-115 Mpcを目標にしています。KAGRAはO4の初めに1 Mpc以上の感度で運転を行い、O4の終わりまでに感度を向上させる作業を行う予定です。

観測スケジュール

重力波観測のスケジュールは、約1年間運転する観測運転、装置の構築とコミッショニングのための観測休止期間、コミッショニングと観測運転を繋ぐ試験運転に分けられます。現在見込まれている長期的な観測スケジュールは以下の通りです。この図は各観測運転期間での連星中性子星合体からの重力波の観測可能距離を示しています。

O4では、4つの施設(LIGO Hanford (LHO)とLIGO Livingston (LLO)、KAGRA、Virgo)が、中間に1ヶ月の休止を含めた一年間の観測を予定しています。KAGRAはVirgoとLIGOともに観測を開始し、コミッショニングのために一旦観測を休止し、O4観測の終盤により感度を上げて観測を再開する予定です。

O5の開始日、期間、感度は、現時点での予定であり、観測開始までに変更となる可能性があります。