GSAサイエンスセミナーで苔山助教が講演
7月13日、神岡町公民館でGSAサイエンスセミナー「地下望遠鏡・KAGRAではじめる重力波天文学」が開催され、東京大学宇宙線研究所の苔山圭以子助教が登壇しました。当セミナーは岐阜県飛騨市神岡町で毎年恒例となっている地下科学実験を探検できるイベント「ジオスペースアドベンチャー(GSA)」の一環です。
神岡町の地元の皆様やGSAに参加する家族連れなど多くの参加者がある中、苔山助教は地下実験の「正装」、つなぎの作業着とヘルメット、ヘッドランプの装いで登場、2019年内に本格観測開始を目指して準備が進められている大型低温重力波望遠鏡での観測について、重力波とは何か、神岡の地下でトンネルを掘って実験を進める意義などをじっくりと語りました。
講演後の質問の時間には講師も驚くほどの専門的な質問も多く飛び出す中、「科学者を目指す後進の皆さんへのメッセージはありますか?」という質問には、「日本は女性の研究者が少なすぎる。欧米では普通に多くの女性研究者が活躍している。日本で時々言われる、『女子には物理や数学は無理』というのは全くのウソで、女の子たちも心配することなく物理や宇宙の研究者を目指して欲しい」と答えました。
家族でGSAの地下研究施設の見学に来たという静岡県富士宮市の高校生、遠藤巧都さんはGSAセミナーを聞いた感想として、「重力波が時間や空間を歪めてしまうということに大変興味をもちました。将来、ブラックホールの合体のような現象をコントロールできれば時間旅行も可能になるのかもしれない」と夢を語りました。
飛騨市神岡町公民館でのGSAサイエンスセミナーの様子
地下実験の「正装」つなぎとヘルメット、ヘッドランプの装いで登壇する苔山助教