ひだ宇宙科学館カミオカラボがオープンしました

2019年3月27日、岐阜県飛騨市神岡町の道の駅 宙(スカイ)ドーム神岡に、「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」がオープンしました。カミオカラボは、普段なかなか見学しにくい地下の研究施設で行われている研究の魅力を広く伝え、科学と社会の新しい関係性を作るために全ての人々に開かれた場所として飛騨市が企画、東京大学宇宙線研究所や東北大学ニュートリノ科学研究センターの研究者が協力して完成した科学館で、スーパーカミオカンデやカムランドで行われているニュートリノの研究やKAGRAで行われる重力波の研究について、迫力ある映像や楽しいゲームで体感して楽しく知ることができます。


梶田宇宙線研究所長(左から3人目)、都竹飛騨市長(同4人目)らによるテープカットの様子

3月27日の午前中に行われたオープニングセレモニーでは、飛騨市長のあいさつに続き、2015年にニュートリノの質量の発見でノーベル物理学賞を受賞し、KAGRAの研究代表者でもある梶田隆章 宇宙線研究所長が「カミオカラボにお越しいただき、研究に触れ、体感することで科学に興味をもっていただければと思います」と述べ、飛騨市で行われているスーパーカミオカンデやKAGRA、計画中のハイパーカミオカンデについて報告しました。


模型と映像で重力波望遠鏡KAGRAの研究を紹介するコーナー

午後1時の一般向けオープンの際には入場待ちの行列は150人あまりに達し、活気あふれるオープン初日を迎えることとなりました。また、夕刻には神岡町公民館で作家の池澤夏樹氏によるカミオカラボオープン記念講演会も行われ、カミオカンデが超新星からのニュートリノをとらえたニュースを聞いたことをきっかけに書いた作品「スティル・ライフ」が芥川賞を受賞して作家として身を立てられるようになったことなど、科学研究と自身の作品との関わりについて語りました。


スーパーカミオカンデの展示の前で都竹市長(左)と中畑神岡宇宙素粒子研究施設長(中)、梶田所長(右)

カミオカラボは入場無料、開館時間は9:00〜17:00(入館は16:30まで)、水曜定休です。館内にはサイエンスコミュニケーターも常駐し、質問にもわかりやすく答えてくれます。お近くにお越しの際はぜひカミオカラボへお越しになり、楽しく宇宙素粒子研究に触れていただければと考えています。

関連リンク

カミオカラボ ホームページ
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