宇宙・素粒子スプリングスクールを開催

3月5日から9日にかけ、東京大学柏キャンパスの宇宙線研究所にて宇宙・素粒子スプリングスクールが開催されました。熱意ある志望動機をもって応募し、書類選考を通過した日本全国の大学三年生約30名が、5日間にわたって宇宙・素粒子物理学の最先端研究を体験しました。

初日から4日目まで、午前中は宇宙線研究所の多方面にわたる最先端研究の講義です。重力波観測研究施設長の大橋教授による重力波天文学の講義を皮切りに、宇宙線研究所の教授陣が次々と登壇しての講義が繰り広げられました。


重力波観測研究施設長 大橋教授による重力波天文学の講義の様子

そして午後は6つの研究班に分かれ、最先端研究を実際に手を動かして体験するプロジェクト研究の時間です。重力波天文学の研究班は大橋教授、田越教授の指導と牛場特任助教、譲原特任研究員と大学院生のサポートのもと、レーザー干渉計での精密な距離測定や、米国の重力波望遠鏡LIGOの実際のデータを使った重力波の信号探索に取り組みました。


牛場特任助教がレーザー干渉形の仕組みを説明しています


重力波望遠鏡KAGRAのミニチュア版のレーザー干渉計を組み立てて鏡の位置を測定します


米国の重力波望遠鏡LIGOのデータから、重力波の信号を探しています


最終日の成果発表にむけ、プレゼンテーション内容を相談中

最終日の9日にはそれぞれの研究班の成果を報告し合うプレゼンテーション大会が行われました。5日間の研究成果を25分のプレゼンテーションにまとめて全参加者の前で発表すると、他の班から次々と質問も飛び出し、大変活発な報告会となりました。どの班も非常に高度な発表内容で優劣つけがたいとの講評のあと発表された今回の最優秀賞は、ニュートリノ物理研究班と観測的宇宙論研究班が受賞しました。


プレゼンテーション会場で発表内容の最終調整をしています


プロジェクトの研究の成果を分担して発表しています

梶田宇宙線研究所長による最優秀賞の表彰につづき、実験・研究を共にした仲間たちや指導、助言をしてくださった研究者との親睦会でさらに交流を深め、どっぷりと宇宙・素粒子物理学の研究につかった5日間のプログラムは幕を閉じました。


プログラム初日と最終日には、参加者と研究者とが参加する懇親会


毎日午前と午後の2回開催されるお茶の時間には他のプロジェクト研究班のメンバーと情報交換。熱気にあふれています